taipon2018’s blog

あるゲイの日記。好きな音楽を中心にその他もろもろ。

しゃぼん玉。

 女優・市原悦子さんが亡くなってもう1ヵ月。

代表作『家政婦は見た』をはじめとして多くのドラマ・映画などに出演されました。

今回観たのは2017年の映画『しゃぼん玉』。市原悦子さんの遺作映画となった作品。

 

林遣都さん演じる主人公・泉は引ったくりや傷害事件を起こしながら荒んだ生活をしてきた男。そんな男が宮崎県の山奥に住む市原悦子さん演じるおばあちゃん・スマと出会い、共に暮らしながら人々のやさしさに触れ少しずつ再生していく物語です。

 

よくある地域振興系の映画だろうと思っていましたが、そんなことはなく中身のある映画でした。ともすれば、ファンタジーのような田舎の良さだけを魅せる映画になりがちですよね、自治体がしっかり絡んでいる映画って。現実離れせずに田舎の現実も描かれていてすごくよかったです。

 

映画の舞台となった宮崎県椎葉村九州山地中央部に位置する山深い平家の落人伝説の残る村。途中取って付けたような説明台詞はあるものの本筋と離れてはいないのでそこまで違和感はないです。椎葉村の険しくも美しい山々に囲まれた風景もすばらしかったです。主人公の心に風景も大きく影響を与えていくのが分かりました。

 

そして、何より役者さん方がみなさんすばらしかった。

泉を絶妙な距離感で見つめゆっくり心をほぐしていくおばあちゃん、スマ。

やっぱり市原さん、柔らかさの中に強さを感じる唯一無二の存在感でした。

林遣都はビジュアル的には全然好みではないんですが、やっぱり役者としてはすごいなと思いました。すごく繊細で難しい役をうまく演じ切っていました。

シゲ爺を演じた綿引勝彦さんもよかった。昼ドラ『天まで届け』で大家族のお父さん役でしたね。厳しくぶっきらぼうながらも温かく見守る視線がすごく感じられました。

 

別に犯罪を起こすまで行かなくても追い詰められている若者たくさんいますよね。

ニート・引きこもりなどどこからどう悪いループから抜け出したらいいのかわからない人達が。劇中でスマが泉を"坊はえぇ子、えぇ子や"と無償の承認を与えたことが泉の心が動き出す大きなきっかけになったと思います。また、知り合いのシゲ爺の山仕事に泉が付いていき、体を動かし始めたことから変わっていったということもあったと思います。そう考えると、雁字搦めの日々から抜け出す為の様々なヒントが詰まっているとも思える物語だなぁと思います。

 

久々にまた見返したくなる邦画に出会いました。

 

しゃぼん玉

しゃぼん玉