なつかしい響きですね、Something ELse(サムシング・エルス)。通称:サムエル。
1990年代に一世を風靡した日本テレビ系バラエティ番組『進ぬ!電波少年』という番組がありました。今じゃ絶対無理な尖った企画ばかりやっていたあの番組です。
"なすびの全裸懸賞生活"や"箱男"やら当時でもアウトだったとは思うんですが、強行しちゃえる勢いがまだテレビにはありましたね。
その『電波少年』の兄弟番組『雷波少年』内の企画"雷波少年系ラストチャンス"にサムエルは登場しました。
サムエルは1996年にデビューしたもののヒットを出せず、1998年当時崖っぷち状態だった3人組バンド。その再起をかけての企画が"雷波少年系ラストチャンス"でした。
企画内容はというと、3ヵ月間3人同じ部屋で合宿生活をして曲を作りリリースしその曲がオリコン20位以内に入らなければ解散・音楽以外の仕事に転職という厳しい条件のものでした。
改めて考えると、えげつなすぎる企画ですね。当時は面白がって見てましたけど。
共同生活の中でのメンバー同士の激しいぶつかり合いなんかもかなり放送されてました。そんな彼らが3ヵ月で作り上げた曲がこの曲でした。
大人になって聴くと割と本気で泣ける曲、「ラストチャンス」。
リリースは1998年の年末でしたね。オリコン初登場2位、そしてミリオンヒットに。
見事に厳しい条件をクリアし、サムエルの活動は継続決定となりました。
本当に追い詰められた中でこういう曲を書けたっていうのはすごいですね。
やっぱり人間、他人と比べないなんてことはそう簡単ではなくて。
人と比べて落ち込んで。自分は自分と言い聞かせて。また人と比べて落ち込んで。
ストレートすぎる彼らの歌詞が沁みるっていうか、刺さるんですよね。
どこにでもいる平凡な人間の歌。こういう歌がもっとあってもいいですね。
春にピッタリな爽やかなナンバー、「さよならじゃない」。1999年4月リリース。
この曲も3ヵ月間の厳しい合宿生活で生まれた曲だそうです。
絶対に終わりにしたくないという強い気持ちがストレートに表現されています。
このせつない恋の歌、「ウソツキ」も好きです。2000年2月リリース。
90年代ポップスの芳しい香り。なんかマッキーぽい感じ。
バンド結成が1994年ですから世代的にKANさんや槇原さんに憧れたんでしょうね。
友達がアルバム『502』持ってたなぁ。なつかしい。
彼らの軌跡を振り返るヒストリーアルバムだったんですね。
ちなみに"502"は彼ら3人が合宿生活をした部屋の番号でした。
地味にメインボーカルの大久保さんの顔、好きだったんですよね。淡い想い出。
2006年10月に解散したサムエル。今も彼らの歌は僕らを励ましてくれています。