球体通信

Around Forty gay on the Kyushu Island

高宮マキちゃん。

2003年3月リリースの高宮マキちゃんのファーストアルバム『鳥籠の中』。

鳥籠の中 (CCCD)

鳥籠の中 (CCCD)

 

すごく大好きなアルバムでよく聴いていました。

冒頭から雨のSEっていうのにすごくやられてたんですよね。

適度に湿度を帯びた空気感もですが、ジャズソウルR&Bなど様々な音楽が彼女の中で融合していてそれが溢れ出している素敵なアルバムなんです。

惜しむらくはこの『鳥籠の中』、CCCDだったんですよね。

そう、あの悪名高い愚策:コピーコントロールCDです。

ストリーミング全盛の今となっては笑い話にもならないと思うのですが。

不正コピーを防ぐためと称して音楽CDとも呼べないものを

大手レコード会社の多くが導入して売っていたのですよね。時代は変わりますね。

 

最近また聴くようになったきっかけは、YouTubeで彼女のライブ映像を見つけたからでした。

有名ユーチューバー・アンソニーさんのYouTubeチャンネル『TourbillonCafe』。

彼女とアンソニーさんが同級生だった関係で動画をアップしているようです。

www.youtube.com

なんとその中に『鳥籠の中』の全曲ライブ映像がアップされていたんです!

高宮マキ「鳥籠の中」全曲ライブ @ 楽屋in中目黒 - YouTube

ライブ映像は2014年3月のもの。

『鳥籠の中』収録曲の全曲パファーマンスはもちろん、

高宮マキちゃんご本人による曲の解説を含むMCトークもノーカットで見れちゃいます。

今さら気づいた形にはなりますが、この動画を見つけられてホントにうれしかったです。

 

高宮マキちゃんといえば、やっぱりこの曲「鍵穴」。


M4「鍵穴」高宮マキ "Album「鳥籠の中」Now and forever" Live!@楽屋in中目黒

ジャジィーでグルーヴィーであの頃のR&Bぽさもありますね。

てか、もはやジャンルなんて関係ないぐらいなめらかで最高なナンバーです。

2003年1月リリースのこの曲は、当時多くのパワープレイを獲得し注目されましたね。

 

個人的に一番好きなのはこの曲、「Wanna Let You Know」。


M5「WANNA LET YOU KNOW」高宮マキ "Album「鳥籠の中」Now and forever" Live!@楽屋in中目黒

ライブでも一番の盛り上がりを見せたこの曲。アルバムの中でもそういう感じですね。

後半のクールダウン部分が心地よくてツボなんです。

 

デビューミニアルバムのタイトルチューンとなった「鱗」。


M9「鱗」高宮マキ "Album「鳥籠の中」Now and forever" Live!@楽屋in中目黒

「鱗」というと秦基博さんの曲が有名ですが、個人的にはこっちですね。

素敵なピアノとのセッションが最高。贅沢な大人の時間。

 

あまりMCトークをしてこなかったという高宮マキちゃん。飾らない関西弁がかわいい。

アルバム制作時の裏話などたくさん興味深いお話をしてくれています。

リリースから11年経っての念願の全曲ライブだったんですね。

事務所の方針であえてメディア露出を控えた売り出し方だった為、アルバムのツアーなどは行われなかったと。

わざわざ倉木麻衣さんの名前を出していることからしても、おそらくそういう説明があったのではないかと思いますが、2003年の時点でその戦略はあまりうまくなかった気がします。

ましてここまでのパフォーマンスができるアーティストの活動を結果的に制限してしまったわけで。とてももったいなかったんじゃないかと思います。

魂込めて作ったものを披露する場がなかったというのは高宮マキちゃんご本人もつらかったんでしょう。

そしてアルバムのタイトルチューンとなった『鳥籠の中』の解説で、高宮マキちゃんご本人の口からとても厳しい家庭で育った背景があってこの曲につながっているという話がありました。

守られてはいるけれど、自由ではなかった。そう感じていた、高宮マキちゃん。

彼女の独特な世界観はそういうところから生まれたものなのかもしれないと思いました。

プロデューサーのクマ原田さんからの"売れても売れなくてもとにかく音楽を続けろ"という言葉があったというお話も印象的でした。

高宮マキちゃんというアーティストをしっかり知ることのできるすばらしい映像でした。

 

2004年3月にはセカンドアルバム『Always Be There』をリリース。

Always be there

Always be there

 

Always be there - YouTube

『鳥籠の中』から本当に解放されたような"陽"のパワーに溢れたアルバム。

2002年1月にロンドンでインディーズデビューも果たした「Blue Butterfly」も収録。

より自由に心地よいグルーブ感で陽だまりのような曲がたくさん。

アルバムの先行シングルとなった「Lookin' For My Song」。


Lookin' For My Song

やっぱりこういうせつない曲が好きですね。なんてやさしい歌声。

 

2007年3月、サードアルバム「Mariposa」をリリース。

mariposa

mariposa

 

高宮マキ 3rd Album「MARIPOSA」 - YouTube

洋楽カバーも多く取り入れた面白い構成のアルバム。

ここからまたインディーズリリースになっています。

タイトルチューンとなった「Mariposa」。


高宮マキ "Mariposa"

キューバ旅行の際にできた曲らしい。こういう感じもいけるのね。

 

2012年3月、プロデューサーのクマ原田さんらとのバンド"TSUKIPEN"を結成し、

『TSUKIPEN part1』をリリース。

月ペン『TSUKIPEN Part1』 - YouTube


月ペン "Miss Salt & Sugar"

セカンドシングルとしてリリースした「Miss Salt & Sugar」の月ペンバージョン。

ロンドンのクラブで歌ってたのかなぁ。かっこいいなぁ。

 

2015年1月には古巣のレコード会社から『ゴールデン☆ベスト 高宮マキ 絲遊の女』が発売。


高宮マキ - ゴールデン☆ベスト 高宮マキ 絲遊の女 ~全曲試聴 

ゴールデン☆ベスト 高宮マキ 絲遊の女

ゴールデン☆ベスト 高宮マキ 絲遊の女

 

リリース時のコメント 高宮マキ Official Web Site » リリース情報

 

2017年10月、公式サイトで当面の活動の休止を発表した高宮マキちゃん。

takamiyamaki.jp

子育てに専念するためにアーティスト活動を休止するということのようです。

やっぱりライブがしたいと戻ってきたというのは本当に音楽というものが高宮マキちゃんから切り離せないものだということの証明だと思います。

 

メッセージにあるようにいつかの活動再開を楽しみに待っていたいと思います。

 

Coguma

Coguma

 

2017年8月リリースの最新EP。現時点での最後の作品。