球体通信

Around Forty gay on the Kyushu Island

Z-1。

かつてZ-1というアイドルグループがあった。

あの上戸彩が女優としてブレイクする前に所属していたグループだ。

オスカーの代名詞『全日本国民的美少女コンテスト』の上位者で結成されたグループで、メンバーは審査員特別賞受賞した上戸彩根食真実西脇愛美藤谷舞の4人。

グループ名は"今世紀最後のNO.1を目指す"という意味でZ-1としたらしい。

良曲もあったが、時代に埋もれた感のあるZ-1について書いてみたい。

 

デビュー当時の記事をリンクしておく。

www.nikkansports.com

 

2000年代前半、ノンケの友達はみんな上戸彩が好きだった。

僕には何がそんなにいいのかわからなかったが、とにかく人気がすごかった。

僕は好きな女性芸能人を聞かれる場面では同じ事務所の米倉涼子を挙げていたのを覚えている。

そんな上戸彩を擁したZ-1は結論から言うと売れなかった。

 

吉本とオスカーの手掛けたアイドルは売れないというのはもはや定説だが、 アイドルのファンの気持ちを絶望的にわかってないからだと思う。

適当にこういう子集めてグループ作ればいいんでしょ?こういうの歌わせとけばいいんでしょ?感が透けて見えすぎるのだ。

その点では大嫌いなのだが、秋元康なんかはうまくやれているのだろう。

 

Z-1は路線的にはSPEEDをかなり意識したものだったと思う。

彼女たちはSPEEDのようにダンスも歌もスクールで鍛錬されたものではなかったのでやりたいことがやれてないようなアンバランス感があった。

それが魅力といえば魅力だったし、弱点といえば弱点だった。

メンバーの西脇愛美がSPEEDの上原多香子にやたら似ていたのはオスカーが意識して入れていたのか今となってはわからないが、ずっと気になっているグループではあった。

 

Z-1のデビューした1999年は、華の98年組の台頭もありガールズポップ戦国期だった。

taipon2018.hatenablog.com

夏には浜崎あゆみ鈴木あみの大ブレイク。

秋にはモーニング娘。の大ブレイク、さらにはSPEEDの解散発表とまさに激動だった。 

 

激動の最中にリリースされたデビューシングル「Vibe!」。1999年7月発表。


Vibe!

SPEEDの人気曲「Luv Vibration」からヒントを得たのかなというようなタイトル。

曲はR&B風エッセンスを入れつつもSPEEDぽい。大サビ前にラップも入れちゃう時代感。

初々しさの光るボーカルがいい。東芝の乾電池『アルカリ1』CMソング。

 

前作から5ヶ月ぶりにリリースされたセカンドシングル「You Your You」。1999年12月発表。


You Your You

これはSPEEDの「White Love」に負けずとも劣らない隠れた名曲だと思う。

結構なテンポのあるラブバラード。作曲はハロプロ作品も多く手がけた小西貴雄

前作に引き続き、東芝の乾電池『アルカリ1』CMソング。

 

2000年、サードシングル「BaKKAみたい!!」を5月に、フォースシングル「きめてやるサマーラブ」を8月に続けてリリース。

アイドルのサードシングルは勝負曲を持ってくるものと考えていた僕にとってはなかなか衝撃だった。

どちらも迷曲と言えるような部類の曲で90年代前半の売れないアイドルが歌ってそうで完全に勝負を捨てた感覚はあった。

 

事実上のラストシングルとなってしまったフィフスシングル、「Be My Love」。2000年11月発表。


Be My Love

チロルチョコ』のCMタイアップもついてそれなりにテレビでも流れていたこの曲。

かなりキャッチーで狙いにいってる感があったし、王道なアイドルポップで一番好き。

てか、これを勝負のサードシングルにすべきだったと思うのだが。。。

SPEEDのような活躍を夢に見ていただろう彼女たちが"夢は叶わないことがきっと

多いよね~♪"と歌っちゃっているのが今となっては何とも切ない。

Z-1としての活動は2001年中に終了していたと思われる。

 

上戸彩は2000年頃から女優としての活動を本格化。

翌年2001年にはブレイクのきっかけとなったTBS系ドラマ『3年B組金八先生』で性同一性障害を抱える生徒という難役を見事演じ切り高い評価を得た。

2002年にはソロ歌手としてデビュー。ソロアイドルとしてもトップの人気を得ていくこととなる。

 

2003年、上戸彩の大ブレイク後にベストアルバム『ALL ABOUT Z-1』がリリース。

Z-1の良曲たちが無事供養されたようでうれしく思ったのを覚えている。

ALL ABOUT Z-1 - YouTube

 

結局、上戸彩を売るためのグループだったのだろうと思いながらも

グループとしても売れてほしかった気がして妙に自分の中に残っているZ-1。

様々な大人の思惑の中で生まれては消えていったアイドルグループ。

その儚さこそがアイドルなのだと思う。

 

ALL ABOUT Z-1

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