女優/歌手として活躍していた人たちの記事をいくつか書いてきたが、
良作品をたくさん残したともさかりえちゃんの存在をすっかり忘れてしまっていた。
今やすっかり個性派女優という立ち位置を確立した彼女。
1990年代後半から2000年代前半を中心に歌手としても活躍していた。
前半は秋元康、後半は椎名林檎という感じでメインに手掛けるメンツは変わって行ったが、ともにクオリティは高く特に椎名林檎の提供楽曲に名曲が多かった。
椎名林檎は同時期に活躍したアイドル・広末涼子にも楽曲提供していたのだが、当時林檎と仲がいいと公言していたともさかの方がうまく林檎楽曲とマッチしていたと思う。
また「ともさかりえ」の名前をひっくり返した「さかともえり」名義での活動も並行して行っていたともさか。
いかにも秋元康の考えそうなしょーもない設定企画なのだが、意外と楽曲はしょーもないと切り捨てるにはもったいない出来になっている。
ファーストアルバム『un』はフレンチポップのようなエッセンスがちりばめられたおしゃれ感溢れるキュートなポップス。
セカンドアルバム『むらさき』は都会的で落ち着いたアレンジも多くオトナを思わせるポップス。
どちらも芝居を演じ分けるようにうまく消化して表現されている印象だった。
1996年4月リリースの記念すべきデビューシングル「エスカレーション」。
ともさか本人出演コンタクトレンズのメニコンCMソング。ザ・アイドルソング。
1997年2月リリースのセカンドシングル「泣いちゃいそうよ」。
ファーストアルバムのラストを飾る等身大の切ない恋の歌。作曲は上田知華さん。
秋元康のあざとい歌詞もともさかに関してはハマりまくっていると思う。
1997年5月リリースのフォースシングル「2人」。
1995年から放送された堂本剛主演ドラマ『金田一少年の事件簿』にともさかもヒロインとして出演していた関係で、日本テレビ系アニメ『金田一少年の事件簿』エンディングテーマに起用された。作曲はMISIAの「Everything」などを手掛けた松本俊明さん。
1998年5月リリースのフィフスシングル「恋してる」。
「誰より好きなのに」ヒット後のいい時期の古内東子プロデュース楽曲。
1999年1月リリースのセブンスシングル「カプチーノ」。
ともさかの林檎曲の中でも一番の人気のある楽曲。
2014年リリースの椎名林檎のアルバム『逆輸入 〜港湾局〜』でセルフカバーされている。
「カプチーノ」のカップリングでこちらも人気の林檎曲である「木蓮のクリーム」。
林檎臭がきつすぎる気もするが、こういう曲も気負いなく歌えちゃうともさかがすごい。
2000年6月リリースのエイスシングル「少女ロボット」。
初のマキシシングルで収録された3曲はなかなか濃厚な出来。
同年3月リリースの『勝訴ストリップ』でトップに上り詰めた椎名林檎の人気も受け、
スマッシュヒットを記録した。
2009年、30歳記念でリリースされたアルバム『トリドリ。』から「都会のマナー」。
前作から10年ぶりのサードアルバムとなった『トリドリ。』。
こちらも椎名林檎の提供楽曲となっていて、このアルバム収録曲も多く手掛けている。
"ともさかりえ"と並行して活動していた"さかともえり"名義での名曲「どっちでもIN」。
ともさか本人出演CMの中でもかなり印象的な楽曲。
カセットテープのアクシアが向きを気にせずケースに入れられるようになった!というアピールのCMだった為にこういうユニークな歌詞になっている。
「男でも女でもどっちでもIN!」というパワーワードは今聴いてもなかなかパンチが効いている。CM作品としてのクオリティーも高かったと思う。
他にもこちらも本人出演のCMソングで商品名そのまんまの「好きになったらキリンレモン」や1960年代の歌謡曲を思わせる「稲妻娘」などさかともえり名義の曲はアルバム『さかさま』にまとめられている。
最近は顔の歪みやスネオヘアーとの結婚・離婚という残念な話題ばかりの印象のともさかりえちゃん。とはいえ、女優としてはずっと確かな演技力で僕らを魅了してくれているし、この先も活躍が期待できる貴重な存在だと思う。
歌手としての活動はもうなかったとしてもこれからも唯一無二な輝きを見せてくれるだろう。
公開が控えている新作映画もとても楽しみだ。
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