球体通信

Around Forty gay on the Kyushu Island

トーンポリシングにまけるな!〜きみのみかた〜。

関連ツイートも含めると1000万件を超えたという検察庁法改正案への国民の抗議の声。

今回は多くの芸能人がこの問題に対して声をあげたということも大きな話題になりました。

その中で注目されたのがきゃりーぱみゅぱみゅちゃん。以下、きゃりーちゃん。

news.mynavi.jp

一度は『#検察庁法改正案に抗議します』と抗議のツイートをしたものの、批判的なコメントが来るなどしたためその後そのツイートを削除するという騒ぎになりました。

きゃりーちゃんには「歌手のくせに」や「何も知らないくせに」などと心無い言葉が浴びせられたようで、結果的にその声に屈した形になってしまいました。

 

このきゃりーちゃんへの批判で違和感があるのは彼女が声をあげること自体を否定しているという点です。「歌手だから物を知らないだろ」とか「詳しく知らないなら何も言うな」というのは、彼女自身への攻撃をして口を塞ぎ黙らせようという意図が見え隠れします。(歌手だから云々は普通に職業差別だし!詳しく知らないなら云々は専門家以外は発言できなくなってしまう!!)

このように問題の内容ではなく他の部分へ、ある種の論点ずらしをして声をあげさせないようにすることを”トーンポリシング”というそうです。

www.sbbit.jp

 

考えてみると、星野源コラボ動画の影であまり大きな話題になりませんでしたが自身のラジオ番組で"今は批判をやめて一致団結しよう"というような発言をした山下達郎さんもこのトーンポリシングに該当しますね。

jisin.jp

そこに問題があるからこそ声をあげている人がいるということには目を向けておらず、冷静にと呼びかけながらも結果的に今は黙ってろということを言ったも同然ですから。山下達郎さんの作品は大好きですが、この発言は本当に残念に思いました。

 

いろんな意見があっていいし、それこそ表現の自由の中で対立が起こることもあるでしょう。でも、たとえ意見が違う人がいたとしてもその相手に声自体をあげるなと言うのはおかしいですよね。お互い意見を表明して議論を深めればいいのです。

 

下に貼ったサイトではLGBTに対してのトーンポリシングの例が出ています。

他にもたくさんのわかりやすい例が載っていて、LGBTの現場に限らずどんな場面でもこのやり方による被害は起こりうるということがよくわかります。

lgbt-life.com

 

2018年発表のきゃりーちゃんの配信リリースシングル「きみのみかた」。


きゃりーぱみゅぱみゅ - きみのみかた , KYARY PAMYU PAMYU - Kimino Mikata

2015年発表の「もんだいガール」同様なかなか風刺のきいた内容のこの曲。

SNSの中でも埋もれがちなマイノリティの声がテーマのひとつになっています。

今回に関して言えば、もはや検察庁法改正案への抗議の声はマジョリティの意見になっていると思いますが、実際きゃりーちゃんに起こったのはマイノリティの声がかき消されるような抑圧する動きでした。そんなことも考えると、改めて考えさせられる楽曲だと思いました。

 

こちらがリリース当時のインタビュー記事。内容に関しても語ってくれています。

www.billboard-japan.com

 

今、きゃりーちゃんは落ち込んでいるかもしれない。余計なことをしたのかも、と。

でも、今こそ僕はきゃりーちゃんに言いたい。ぼくはきみのみかた、だと。

そんな風に思ってる人が絶対いっぱいいると思う。

だから、自分が思ったことを自由に発信してほしい。

そして、この国がそれが当たり前の国であってほしい。