個人的に今まで聴いてきた中で一番面白かったラジオ番組。
それは2011年から2014年まで文化放送で放送された「井筒とマツコ禁断のラジオ」。
一貫して歯に衣着せぬ本気の発言をしている映画監督の井筒和幸に
すでに大スターだったが今より言いたい放題できていたマツコ・デラックスの
ぶつかり合いがすさまじかった、放送禁止用語連発のまさに"禁断のラジオ"だった。
番組内容は事件・芸能・政治・エロ、なんでもござれで斬りまくる痛快なもの。
番組の出演者は井筒監督、マツコ、アナウンサーの寺ちゃん、松子のバーターのコトブキの4人。
番組の中で唯一の常識人としていい味出していたと思う。
あともう一人のマツコのバーターのコトブキ・ツカサとかいう
芸人崩れの映画パーソナリティーがいたけど本当につまらないのに
ミニコーナーを持たされいて不快だったことも一応記しておきたい。
しかもナイター期間は放送がなかったりしたのでいろんな意味で
ひっそりこっそり言いたい放題な感じがよかった。
学生時代から深夜放送を中心にラジオは聴いていたけど、
深夜放送のノリはあくまでストレートの男性向けのもので、
ゲイである僕は、多少無理をしながらその感覚、感性に寄せて行って楽しんでいたように思う。
でも、そういう無理をしないで楽しんで聴けたのがこの井筒とマツコ禁断のラジオだった。
今から振り返っても自分の感性に何のフィルターも挟まず楽しめた唯一の番組だったかもしれない。
特に印象的だったのはゲイビデオに出演して解雇された消防士さんの話題や
肛門の形をしたチョコレート・エディブルアヌスの話題。
絶対他ではスルーしたであろう話題にも
ちゃんと食いついていったマツコの感性はやはりすごいと思ったし、
この人はテレビだけじゃなくラジオでも無双な人なんだと思い知らされた。
またもちろん下世話な話題だけではなく
当時の野田政権にも安倍政権もおかしいことにはおかしいとはっきり批判していたし
表現の自由についても、言いたいことも言えない世の中はクソだとちゃんと言及していた。
番組終了から6年半。完全に"言いたい放題"ができない世の中になってしまっているのは実に哀しい現実だ。
テレビもラジオもタブーばかりが増えてしまった。
ネットがあるからいいじゃない。じゃダメだと僕は思う。
公共の電波で言いたい放題できるのが、いい世の中だと思うから。
堂々とアナル・チョコの話をできるのが正しい世の中なのかはわからないけどねw