球体通信

Around Forty gay on the Kyushu Island

消したい記憶①。

3つぐらいかな。

 

いまだにフラッシュバックするような苦々しくて忌まわしい記憶がある。

 

まず小学校のやつから。

 

小学校の高学年の時に林間学校というか宿泊学習というか

 

1泊2日ぐらいのお泊り行事があった。

 

地元も山で囲まれてんのにさらに山の上の寒い宿泊施設にみんなで泊まりに行った。

 

学年も2クラスしか無くてみんな顔も気心も知れた子ばかりで

 

小学校の頃はわりと人気者だったしそこで孤立とかはなく楽しく過ごしていた。

 

1日目は特に何をしたとかも覚えてないけど無事終わった気がする。

 

事件は2日目の朝に起きた。

 

その日の朝の冷え込みは予想以上だった。

 

ちょっとお腹が冷えた感覚はあったものの、まぁ何とかなるだろうと思っていた。

 

その日は朝からその山の上の施設周辺のオリエンテーションだった。

 

宿泊研修のメインの行事で施設周辺に綺麗に整備された庭園や山中の遊歩道のチェックポイントをまわるや予定だった。

 

1泊2日だから予定が詰まっていたのだろう。

 

朝食もやたら早くてもう7時ぐらいにはオリエンテーションの出発式のため、

 

僕たちは施設の大ホールに集められていた。

 

慣れない友達たちとの宿泊、早めの朝食、予想外の冷え込み。

 

今から思えばかなりストレスというか体にこたえていたのだろう。

 

学校の先生だったか施設の人だかがオリエンテーションの説明をし始めた頃、

 

あれ?やばいかも、、と僕の体が反応してきた。

 

明らかに腹にガスがたまりトイレに行って何らかを放出しなけれがいけない状況になっていた。

 

でも、みんながおとなしく体育座りで説明を聞いてる中で「先生、トイレに行きたいです!」と立ち上がる勇気は僕にはなかった。

 

もう終わるだろうもう終わるだろうとタカをくくっていたら

 

徐々に立ち上がることはもちろんほんの少し動くこともできなくなった。

 

とにかく手を握り締めて冷や汗みたいなものも出てきて必死で耐えていたと思う。

 

そして、ついにその時が来てしまった。

 

施設の人がオリエンテーションの説明の中で

 

「この施設はたくさんの草花が植えられていて、ラベンダーが~」と言った瞬間に僕のそれは放出された。

 

確実にブッツ!という鈍い音がホールに響いた。

 

一瞬で笑いが起こり、みんなに知られてしまったと思った。

 

直接僕に話しかけてはこなかったが、

 

みんな確実に気づいていた。

 

暗黙であいつがラベンダーの屁をこいたと。

 

僕は現実逃避をした。あれは空耳だった、あれは空耳だったと。

 

音は明らかに僕から発せられていて、たぶん顔も耳も真っ赤になっていたと思う。

 

とにかく下を向いて何もなかったかのような顔をしてなんとかその時間をやり過ごした。

 

施設の人の説明が終わり、みんなが賑やかに施設の玄関に向かった。

 

僕は死んでしまいたかった。

 

施設の玄関から下る階段に出発前に座っていると何人か声をかけてきた。

 

笑顔で肩をさすって励ましてくれた気がする。みんな半笑いだったけど。

 

「そんなこともあるよ」って言ってくれた子もいた気がする。半笑いだったけど。

 

そのあとのことは覚えていない。

 

今思い出しても本当に恐ろしい出来事。

 

あれを笑いに変換できていたら僕は世界に通用するお笑い芸人になっていただろう。

 

まぁあれから陰で言われていたかもしれないが、

 

ラベンダーと言われていじめられることもなかったし

 

みんな大人だったしやさしかったんだなぁ。

 

いまだにラベンダーと聞くと思い出す僕の悪夢。