一時期アホみたいにゲイアプリを入れまくっていて、
あれはJだったかGだったかのアプリで出会った人だったと思う。
地方のかっこよくもないゲイに出会いはそんなにあるものじゃなくて。
でも、誰かに出会いたくて。誰でもいいやって時期があった。
その人は出張で地元の中心部のホテルに泊まっていて
旅先の夜の相手を探していたのだろう。割とすぐにやりとりをして会おうとなった。
中心部のホテルに行くまで僕の家から30分ぐらい。急いでもそれぐらいはかかる。
まぁすっぽかされてもいいやと思い、彼が泊まっているホテルの前に行った。
歓楽街近くのホテル前は週末ということもあって賑わっていた。
5分ぐらい探したかな。彼と会えた。
彼はカタコトの日本語を話していて大丈夫??と心配になった。
最初の印象は中国系かなと思った。話を聞くと日米のハーフだと分かった。
にしてもカタコトだなと思いながらももういいやと気にせず彼と歓楽街を歩いた。
こういうのは初めてだったし少し怖かった。
話をすると地元のものを食べたいというのでとりあえずご飯を食べようという話になった。
歓楽街に来ることはほとんどないのでどぎまぎしながら一軒の居酒屋に入った。
地元の名物を少し紹介しながらお互いのことを話した。
彼は日米のハーフでお母さんが米国にいること。
お母さんを愛していること。元彼はドバイの太めの人だったこと。
元彼の写真は見れなかったが、お母さんの写真は見せてもらった。
彼は出張で東京から来ているらしく明日も仕事で忙しいらしかった。
容貌はできるサラリーマンぽいと言えばぽいという感じで
僕のようにぷよぷよはしていない引き締まった体のすっきりした一重の人だった。
僕がハイボールを飲むと言ったので彼も同じものをと言い一緒にハイボールを飲んだ。
初対面の人の方が酒が入ると自分でも意外なほど自然と話ができた。
1時間ぐらいは居酒屋にいたかな。
最初のやり取りが21時ぐらいでそれからだったからもうだいぶ遅くなっていた。
彼と歩いて彼の泊まったホテルに向かった。
部屋に入るとすぐに抱きしめられた。
えっ?すぐやるの?と思ってとりあえずトイレに行って準備をした。
トイレから出るとすぐまた抱きしめられた。
自分からやりに行っておいて僕は手ぶらだった。
彼がそのままやろうとしたのでローションは?と聞いた。
無いけど大丈夫だよと彼。えっでも、、、と僕。
図体はでかいけど昔から非力な僕。でも、最大限に抵抗した。
無理だと何回も言ったけれど、お酒も入っている彼は止まらなかった。
本当に痛かった。普通のホテルなのに声が隣に聞こえるレベルで叫んだ。
痛くて痛くて。でも、彼は興奮していた。
僕は痛すぎて声が出なくなった。
しばらくして彼がいった。
ローションもなくもちろんゴムもなかった。
彼は満足そうに僕の体を揉みながら抱きしめ目を閉じた。
僕は放心状態だった。自分でここまで来ておいて何をしてたんだろうと。
薄明りの窓を見ながら思った。
ふと目を彼に移すと彼の寝顔。にくらしいようないとおしいような変な気持ちになった。
またしばらく誰ともできないかもしれない。と思って僕は彼に体を摺り寄せた。
何を考えていたのか、僕は彼を誘った。そして、また彼に抱かれた。
2回目もきつかった。だが、妙に心が満たされていたのを覚えている。
性欲で頭がおかしくなっていたのだと思う。
もうひどいのは彼なのか僕なのかわからなくなっていた。
夜が明けてホテルの1階のレストランに行った。
朝食を薦められたが本当に食欲がなくてコーヒーだけもらった。
もう彼が出発する時間が迫っていた。
彼は仕事が忙しいようでしばらく各地を転々とするようだった。
僕は彼の話を信じた。嘘を言っているようには思えなかったから。
正直言えば本当のことを言っていようがいまいがどうでもよかったのかもしれない。
コーヒーを飲み終えて彼とはホテルの前で別れた。
1人になって空を見上げた。見上げた空はよく晴れていた。