球体通信

Around Forty gay on the Kyushu Island

信仰📚それは誰の中にも。

やっぱりこの人は神がかっている。村田沙耶香・著「信仰」。

 

このタイミングですごいの出してきたな!と思ったら夏前には出ていたようで

 

ここ2~3年の短編小説とエッセイを集めた短編集ということらしい。

 

表題にもなった〈信仰〉はコンビニ人間にもつながる村田沙耶香の真骨頂って感じ。

 

頭をもって揺さぶられるような脳が揺らされてるような振動を感じた。

 

一言で言ってしまえば"融通の利かない人"が出てくるのだけれど、

 

そういう人の頭の中で心の中で起こっていること、

 

そういう人の中の決まりやルールの動きの描写がリアルなんだなぁ。

 

マルチや宗教、昨今大きな話題になっているけれど、扱いを間違えると大変なことになると感じたな。

 

絶対に『信教の自由』の話に持って行かれないようにしないとね。

 

大なり小なり誰もが心の中に信仰を持っていて、それは宗教というわかりやすい形だけではなくて。

 

それは信念であるかもしれないし、信頼であるかもしれない。

 

僕が村田沙耶香さんの本を読むのも彼女から発信されるものの価値を信頼しているからで。

 

本を書く方もすごい熱量が必要だろうけど、この時代に本を買って読むというのも結構な熱量が必要なわけで。

 

これも一種の信仰であろうと思う。

 

星新一のオマージュ作品であろう短編も収録されていて

 

この人は今人気らしいショートショートだけの世界になっても生き残っていくのだろうなと思った。

 

全体を通しては社会的動物としての人間が問われている感じかな。

 

読んでてなんかヒヤッとしたのは僕自身が獣に近づいているからなのかもと少し怖くなった。