佐良直美さんのゴールデン☆ベストを相変わらずちょこちょこ聴いている。
カバー曲も多く収録されていてピンキーとキラーズ「恋の季節」のカバーとか山口百恵さんの「夢先案内人」のカバーとか、もう全部いい。
平野愛子さんの「君待てども」やパティ・ペイジの「テネシー・ワルツ」などいわずと知れた昭和のスタンダードも和洋問わず歌いこなす佐良さんの歌声にすっかり魅了されている。
そんなゴールデン☆ベストの中で僕が気になった佐良さんのオリジナル曲は、1972年発表の22枚目のシングル「のんびりやるさ」。作詞、阿久悠。作曲、川口真。
札幌オリンピックに日中国交正常化、あさま山荘事件のあった激動の1972年。高度経済成長の弊害である公害問題がちょうど表面化してきた時期。
マイナス面も見えたとは言え、日本も右肩上がりの経済で将来に希望のあった時代。
そんな時期に都会を捨て故郷に帰る、いわゆるⅠターンの主人公の楽曲を書いている阿久悠のすごさを改めて感じられる曲。公害のことも念頭にあったのだろうか。どこかやさしい視点を感じる。
いつの時代も大きなレールに乗れない、あぶれる人間はいるものでこれはある意味マイノリティの曲とも言えると思う。やさしい曲調がまた寄り添うようでほっこりする。
都落ち、負け犬といえばそうなのかもしれない。でも、何が正解かはわからないね。
何がいいかは人それぞれだわ、人それぞれ。
「のんびりやるさ」
頭一つだけ 遅れた気もするが
それが何になる のんびりやるさ
あばよみんな 都会は投げたよ
後は勝手に あくせくやってくれ
バカな奴だよと 笑ってくれていい
それが何になる のんびりやるさ
赤い夕日あび あてさえないけれど
それが何になる のんびりやるさ
あばよ友だち 風吹くままだよ
下手な歌でも 歌って歩くさ
ほんの少しだけ みれんも残るけど
それが何になる のんびりやるさ