橋田寿賀子さんが亡くなって早いものでもう1年。
YouTubeには橋田文化財団のセミナー動画がアップロードされていた。
こんなのただで見ていいの?っていう感じの内容の動画がふたつも。
演劇やテレビドラマの研究をされている岡室美奈子さんの渡鬼の解説動画、本当に面白いから見てほしい。
やっぱり橋田ドラマの中心である渡鬼の何がすごかったのかがよくわかる解説。
中でも渡鬼の構造を『同時多発性複合的渦巻き構造』と解説しているのには笑ってしまった。
確かに渡鬼って全然問題は解決していかないんだよね。
むしろ問題は多くなり悩みは膨らんでいくばかり。でも、日々は続いていくわけで。
一話完結とか伏線回収とかの今時のドラマとは全く違うタイプのドラマ。
そのずーっと続いてく日常のリアルが橋田ドラマの魅力なんだという指摘だよね。
なんかもう解説聞いてて感動したわ。本当に。
ドラマ見てて単純に面白い!と言うのも大事だけど、こういう分析も大事なんだなぁと思った。
また石井ふく子さんと岡室美奈子さんの対談動画もあっておもしろかったなぁ。
共に名作ドラマを作り上げてきた盟友であり親友であった石井ふく子さんのお話は貴重。
完全なる昭和の男性社会の中で女性目線の物語をずーっと描いてきたんだなぁと思うと
まさに厳しい環境で荒野を開拓してきた方々なのだなぁと改めて感じたね。
どちらの動画でも触れていたと思うけど、
戦争と不倫は描かないという橋田先生のポリシーはすごいと思ったし
戦争自体を描かなくても正義は一つではないこととか渡鬼見てたら自然と学んでいたよね。
岡倉家と小島家だけでも全く違う正義があったんだから。
だらだら見ているようでちゃんと人生を教えてもらっていたなぁと今更ながら思うね。